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睡眠のメカニズム― なぜ眠くなるのでしょうか
 なぜ私たちは眠くなるのでしょうか。眠りが起こるメカニズムには、体内にある睡眠物質と生体リズム(体内時計)が関連していると考えられています。

睡眠物質の働き

dr.ひつじ

 睡眠物質とは、私たちの体内に存在し、眠りを引き起こす物質であり、起きている時間に徐々に溜まっていくと考えられています。長く起きていると、睡眠物質の蓄積によって次第に眠くなるのです。
 現在、睡眠物質は数十種類あることが分かっており、体内のあらゆる場所に存在しています。では、どのように働くのでしょうか。
 まず、私たちの脳内は無数の神経細胞がつながり、神経伝達物質によってさまざまな信号を伝達することで活動しています。神経伝達物質には、神経の働きを活発化させる興奮性神経伝達物質と、神経の働きを抑える抑制性神経伝達物質があります。
 たとえば、ウリジンという睡眠物質は、抑制性神経伝達物質であるGABA(ギャバ)の働きを促進します。抑制性の神経伝達物質の働きを促進させるため、結果として抑制が強まり、眠気が促されます。
 一方、酸化型グルタチオンという睡眠物質は、興奮性神経伝達物質であるグルタメートの働きを抑える作用があります。興奮性の神経伝達物質の働きを抑えるため、こちらも結果として眠気が促されます。
 このように、一方は抑制を強め、もう一方は興奮を抑えて眠気を引き起こすというように、互いに補い合うように働くことが特徴的です。

体内時計(生体リズム)

 私たちは夜になると眠くなり、朝になると起きます。このリズムは、脳内にある体内時計によってコントロールされています。この1日を単位とする生体リズムを概日リズム(サーカディアンリズム)といいます。
 睡眠は概日リズムに則って起こりますが、この私たちが持っている概日リズムの周期は実は25時間であり、1日の24時間よりも1時間長くなっています。このずれを修正するのに重要な役割を担っているのが朝の光です。
 朝の強い光を浴びることで、体内時計がリセットされ、私たちは無意識のうちに24時間の周期に同調しているのです。したがって、外の明暗が分からない場所で生活すると、私たちは徐々に睡眠が遅い時刻にずれていってしまうのです。
 24時間周期へ同調させる因子としては、朝の光のほかに、テレビやラジオ、会社の始業時刻なども考えられています。


年齢によって睡眠は変化します

子どもの眠り

 生まれたばかりの赤ちゃんは、昼夜問わず眠ったり起きたりを繰り返しながら、1日の大半を眠って過ごします。また、この頃の赤ちゃんは睡眠時間の半分近くをレム睡眠が占めています。
 2ヵ月過ぎくらいになると、ある程度まとまって眠るようになりますが、25時間の概日リズムのままのため、眠る時間も起きる時刻も徐々に遅くなります。4ヵ月以降くらいになると、朝の光などによって24時間のリズムに同調できるようになり、昼は起き、夜にまとまって眠るようになります。また、徐々にノンレム睡眠が占める割合が多くなります。

加齢による眠りの変化

 新生児の赤ちゃんの睡眠は、レム睡眠が全体の半分近くを占めますが、成人になると20%くらいにまで減り、ノンレム睡眠の割合が多くなります。この割合は成人以降の高齢者でもあまり変わりませんが、歳を重ねるほど睡眠の質が変化することが分かっています。
 それは、高齢者になるほど深いノンレム睡眠の時間が少なくなり、中途覚醒が増えるという変化です。子どもは、一度眠りにつくとなかなか起きないほど深く眠りますが、高齢者は少しの物音でも起きてしまうというのは、このためです。